TOSCANA COLLECTION by Zerosettanta studioTOSCANA COLLECTION by Zerosettanta studio

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イタリア・トスカーナ州の中心都市、フィレンツェからほんの少し離れると、
糸杉が寄り添うように並ぶ丘陵やワイン畑が見渡す限りに広がります。

美しい田園風景に囲まれたフィレンツェ近郊の街、エンポリで1948年に創業し、世界の名だたるブランドのOEMをこなしながら、
注目を集める自社のアウターブランド〈ゼロセッタンタ・スタジオ〉を展開するランディ社。

三代目オーナー、シモーネ・ランディ氏は生まれも育ちもトスカーナ。
ワイナリーも経営するなど、この地に根付く衣・食・住のあらゆる文化を知り尽くした生粋のカントリージェントルマンである
シモーネ氏と、今回当社との共同企画「トスカーナ・コレクション」を立ち上げました。

ランディ社とはランディ社とは

第二次大戦後の1948年に、ランド・ランディ氏がトスカーナはフィレンツェ郊外のウェア製造の中心地、エンポリに創業。 以来70年にわたり、イタリア製・家族経営・自社工場にこだわり、熱い情熱と創造力でOEMから自社ブランドまで手掛けてきました。 年に二度、フィレンツェのピッティ宮でおこなわれる世界最大規模のメンズファッション見本市「ピッティ・イマジネ・ウォモ」でも三代目である現オーナー、シモーネ・ランディ氏の存在感は皆が認めるところであり、知る人ぞ知る実力派ブランドです。 当社でもおなじみの〈ランディ社〉〈ゼロセッタンタ・スタジオ〉〈リンペルメアビレ〉は彼らの自社ブランドです。

ランディ社オーナー:シモーネ・ランディ氏(右)

TRAVELOGUE エンポリ紀行

01 エンポリ到着

10数年ぶりのエンポリ10数年ぶりのエンポリ

「おー、来た来た。エンポリにようこそ!」フィレンツェ、サンタマリアノヴェッラの駅から電車で30分。ランディ社の三代目オーナー、シモーネ・ランディ氏が、人懐っこい笑顔を浮かべ駅で出迎えてくれた。フィレンツェでおこなわれる展示会では毎シーズン顔を会わせているが、こうしてエンポリを訪れるのは2回目。もう10数年ぶりだ。

仕事前にちょっと寄り道仕事前にちょっと寄り道

駅舎を出るとランディ社の工場はすぐ目の前だが、その前にちょっと寄り道して、まずはカフェで朝の一杯。イタリアでは小さな街でも必ずといっていいほどこうしたおしゃれなカフェがある。そして、会社に行く前にカフェでエスプレッソを飲まないと仕事が出来ない(したくない)イタリア人は実に多い。香りのいいエスプレッソをグイっと飲み、近所の知り合いとおしゃべりし、せっかくだからカプチーノとチョコクロワッサンもいただいて、気持ちが上がったところで工場へ向かう。駅から工場まで結局30分は掛かってしまった。これがイタリア流か。

02 ランディ社訪問

特別なコレクションをつくるために特別なコレクションをつくるために

工場を訪問したのは1月の終わり。春物の生産と出荷の真っ最中。同時に秋冬物のサンプルの製作がすでに始まっていて工場の中は騒がしい。もっともこの本工場でおこなっているのはサンプルの製作や生地の裁断が中心だ。縫製は外注作業も多いのだろう。外の工場から戻ってきた製品の検品や出荷作業場のほうがいそがしそうだ。この工場の一角にあるショールームで2日間、2020年秋冬シーズンに向けたセレクションをおこなった。

この地で50年以上物づくりをしてきたメーカーだからこそのアイデアこの地で50年以上物づくりをしてきたメーカーだからこそのアイデア

ランディ社との付き合いはもう20年近くになるが、今回わざわざ時間を掛けて工場を訪問したのには理由がある。〈ゼロセッタンタ・スタジオ〉や〈リンペルミアビレ〉といった、彼らのレギュラーコレクションとは別に、ライトアップショッピングクラブのためのもっと特別なコレクションをつくってもらいたかったのだ。 テーマはずばり「トスカーナ」。 花の都フィレンツェを中心に、メディチ家の繁栄とともに大いに栄えた地。その歴史、文化についてはいろんなところで聞いたり読んだりしたことがあるけれど、現代のトスカーナの生活については恥ずかしいくらい知らない。いま、ここにはどんな人々が住んでいて、どんな生活をしているのだろう。トスカーナの大都会フィレンツェと、オリーブ畑の丘がどこまでも広がるエンポリ一帯では、すでに時間の流れるスピードが全然違う。この実り豊かな大地に語り継がれる伝統や文化があるはずだ、それを服に表現出来ないものか?これこそ、以前から我々の温めていた「トスカーナ・コレクション」の構想だった。工場としての技術、ノウハウはもちろんだが、この地で50年以上物づくりをしてきたメーカーだからこそ語れるアイデア、つくれるアイテムがあるに違いない。シモーネ氏なら、そんな我々のわがままな想いを形にしてくれるのではないだろうか。

この地で50年以上物づくりをしてきたメーカーだからこそのアイデアこの地で50年以上物づくりをしてきたメーカーだからこそのアイデア

知らないことは聞くしかない。
トスカーナの気候ってどんな感じ?
土地の農産物、特産物は?
どんな人たちが住んでいるの?
好きな食べ物は?
クルマはやっぱり「イタ車」が好き?
トスカーナを象徴する色ってどんな色?
過去のコレクションのサンプルや生地見本だけでなく、
写真集、ガイドブック、ありったけの資料をテーブルの上に広げ、
イメージを膨らませるためのインタビューがいつもまでも続く。

03 トスカーナの大地の歌

エンポリのすぐお隣り“ヴィンチ村”エンポリのすぐお隣り“ヴィンチ村”

長いミーティングの後のお楽しみはやっぱりランチ。で、トスカーナのランチといえばビフテカ・フィオレンティーナ。お隣りのヴィンチ村にある古いリストランテでおいしい肉をご馳走になった。市内にはたいした観光名所もないといったけど、エンポリのすぐお隣りがこのヴィンチ村。あのレオナルド・ダ・ヴィンチが生まれ育ったという村だ。その帰り道、「ちょっと見せたいものがあるから」とシモーネが言う。最近この村にある古い葡萄畑とワイナリーを買い取ったのだという。

広大な葡萄畑をシモーネ氏が購入広大な葡萄畑をシモーネ氏が購入

「ほら、ここだよ」 広大な葡萄畑をシモーネ氏が購入したのは数年前。併設するワイナリーでのワインの生産もようやく始まり、2年前からワインの本格的な出荷も始まっているという。「え、広い!」話には聞いていたけど、こんなに本格的だとは思わなかった。

「こじんまりとした素敵なヴィラになるよ」「こじんまりとした素敵なヴィラになるよ」

「アパレルもいいけどね、もっと土地に根差した商売もしたいと前から思ってたんだよ。」ワイナリーとして使っているのは古い石積みの建物。よくもまあ崩れてこないものだ。地元で行われた調査によると、この建物がレオナルドの実母の生家だったことが分かったらしい。
「ええっ、じゃあ高く売れるんじゃないの!ワインを売るより儲かるよ」
「ははは、日本人はおかしいこと言うねぇ」
このワイナリー、ゆくゆくはリストランテつきのヴィラになるらしい。「大きくはないけどね。こじんまりとした素敵なヴィラになるよ。ここに泊まって、食事は葡萄畑とオリーブ畑を見渡せるこの中庭がいいかな。ワインはもちろん、ここの葡萄を使って隣のワイナリーで出来たやつだよ。どうだい、ロマンチックだろ。」トスカーナの大地をこよなく愛す、カントリージェントルマンは豪快に笑う。「高く売れるかもしれないけど、売っちゃったらそれでおしまい。それじゃ、おもしろくないだろ」

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スタンドカラー・ブラックコート

スタンドカラー・ブラックコート

通称「オッティーノ・コート」。フィレンツェの老舗ブランド〈オッティーノ〉を主宰するパオロ・オッティーノ氏の私物のコートをヒントにしてつくってもらったのが、これ。「シニョーレ・オッティーノ、よく存じ上げています。トルナブオーニから入った小さな通りにおしゃれなショップがありますよね。上品なコートにぴったりの生地を見つけてきました。これ、リサイクルウールなんです。どう、分からないでしょ?リサイクルウールが安物なんていうのは昔の話ですよ。イタリアだけじゃなくて、ヨーロッパでは環境問題に高い関心を持つ人が多いですからね。」「地球にやさしく、でも製品としてもクオリティの高い生地ってまだ多くないんです。プラートにあるこの工場ともう10年くらい一緒にやってきて、ようやく自信を持って使えるようになりました。」

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トスカーナ・コート

トスカーナ・コート

「よくぞこの色を選んでくれました!このマスタードは夕日に照らされ黄金色に輝くトスカーナの丘陵の色。シエナの土の色でもあるかな。かたやブラウンのほうは、糸杉の並木がどこまでも続く大地の色。少し武骨というか、ヘビーデューティな男のコートですよね。「オッティーノコート」がエレガントな街のコートなら、こっちはトスカーナの大地のコート。ジャケットなしでも着られるように、大きな内ポケットもつけました。シャツやセーターの上に直接羽織ってカッコよく闊歩して欲しいですね。」

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ジャッカ・トスカーナ

ジャッカ・トスカーナ

「ジャッカ」とはジャケットのこと。「カントリージャケットって野暮ったくなりがちなんですけど、ストレッチコーデュロイでスポーティに仕上がりました。かしこまり過ぎず、でもエレガントになりましたね。地元で農作業に従事する人たちは普段は作業着が多いけど、教会に行くときや家族で食事に出かけるときにはきちんとジャケットを羽織りたい。この土地になじんだ、まさにカントリージェントルマンのためのお出かけ着、そんな一着をイメージしました。」

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ブッテロジャケット

ブッテロジャケット

「ブッテロ」はイタリアのカウボーイ。トスカーナ流の馬上ジャケットである。「夏になると、トスカーナでも大きなロデオの大会があるんですよ。今度、ご案内しますよ。このジャケット、特徴はやっぱりこのポケットだよね。ハンティング用の銃の弾だとか、仕留めた獲物をそのまま入れちゃうんですよ。とにかく両手をフリーにしたいから、内側にもポケットが4つ。大きくて入れやすいけど深いから中からモノが飛び出さない。重くなるし、馬に乗っていると動きも激しくなるので、ほつれてこないようにって、こんな形になったんだと思うよ。トスカーナでは昔からこんな形だね(笑)」

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グランツーリスモジャケット

グランツーリスモジャケット

イタリアといえば、やっぱり情熱的な「イタ車」のイメージが強い。「そうだね、特にトスカーナは田舎だからクルマなしじゃやっていけないし。運転しやすいジャケットは必須アイテムだね。ドライビングジャケットは、ともかく運転する時の動きの邪魔にならないことが大切。だからこうして着丈が短めだし、背中の裾の部分はリブになっていて動きやすい。大きい胸ポケットは、眼鏡や小銭がすぐに取り出せるように。コンバーティブルでトスカーナの道を飛ばすのは気持ちいいぞ!」

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商品が決まったら、やっぱりロゴが欲しい。
トスカーナを表すイメージってなんだろう?

「うん、チプレッソだな」

シモーネがすかさず言う。
チプレッソ? スマホで調べると「糸杉」とある。
あぁ、あの並木のことか!たしかにどこでも見かける。

さっそくデザイナーのひとりに声をかけてくれた。
「そうそう、こんな感じで。
15分も経たずにコンピューターで描いたイラストが上がってくる。
すでに色つき、しかも配色が10パターンくらいある。
デザインは一発OK。
配色のほうは少しばかり揉めたが、最後は全会一致。

トスカーナ・コレクション、ブランドロゴの誕生だ。