- 茶葉末に込められた熱い情熱と見事な造形の妙味を愉しむ。
- 黒薩摩は文字通りその黒色をもって特色としていましたが、窯の炎や釉薬の調合の具合で、茶褐色や暗緑色になることがあります。こうした違う発色をしたものを総じて、そば釉と称すが、幹二郎氏はそば釉の変化に注目。長年にわたる研究の末に、中国古来の茶葉末釉の趣をもった鮮やかな発色に成功し、これを苗代川茶葉末と命名。焼成時の偶然に頼っていたそば釉の発色を安定的なものとして確立しました。ご紹介するのは、そば釉の第一人者である荒木氏が当社のために手がけた、そば釉のマグカップ。制作の途中で病が判明し、最後の作陶となった作品です。まず形を作り、素焼きし、そば釉をかけて焼き、最後に黒釉をかけて焼くという三度焼で出来上がった作品は、どれも他にはない荒木氏ならではのものといえます。ポイント的に施された絶妙な曲線が目を引く仕上がり。奥深い色合いと造形に人の手の温かみがそこはかとなく漂い、使うたびに新たな魅力を発見できる名品です。
サイズ(約) | 直径8.5cm×幅11.5cm(持ち手含む)×高さ6.7cm |
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重さ(約) | 180g |
材質 | 陶器 |
原産国 | 日本 |
その他 | ※お申込み多数の場合、お届けできない場合があります。 ※手作りのため、色合い、サイズ、重さが写真・スペックと異なる場合があります。 ※底面に、荒木幹二郎氏の銘である「幹」または「幹二郎」の刻印が入ります。 |
荒木幹二郎(あらき みきじろう)氏
1929年(昭和4年)生まれ。現代の名工。日本伝統工芸士会会員。苗代川焼伝統保存会員。苗代川の地名が美山に変わる際、伝統ある名を残そうと、苗代川焼の商標を取得。2005年に鹿児島県優秀技能者知事表彰。2022年没。
〈荒木陶窯〉は、約425年前から受け継がれてきた薩摩焼を作り続ける由緒ある窯元。14代、15代共に現代の名工に。技を磨きながら、未来へ残る作品創りを行っています。