- 広重ブルーが渦巻く大胆な木版画。
- 江戸時代を代表する絵師、歌川広重晩年の作「六十余州名所図会」の中の一枚「阿波 鳴門の風波」。傑作と名高い作品を身近で愉しめるのが、明治24年創業、京都の老舗出版社〈芸艸堂〉による木版画です。激しいうねりを伴う鳴門の渦潮が大きく配置された、迫力に満ちた構図。「広重ブルー」と呼ばれる独特の深い青をしぶきの白が引き立てます。墨版と複数の色版の版木を熟練の摺師が巧みに使い分け、一枚一枚丁寧に摺り上げており、印刷ではなしえない、ぼかしなどの微妙な表現も見事です。
サイズ(約) | 額=縦52.5cm×横41cm×厚さ2.2cm、画=縦35.5cm×横23cm |
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重さ(約) | 1.35kg |
材質 | 紙=越前生漉奉書、額(縁)=天然木、(前面)=アクリルガラス |
仕様 | 紐付 |
技法 | 手摺り彩色木版(10版26度摺) |
原産国 | 日本 |
その他 | ※一点一点手摺りのため、色調が写真と異なる場合があります。 |

日本で唯一の手摺木版和装本の出版社として知られる〈芸艸堂〉。江戸時代の版元と同じように木版画の伝統をそのまま墨守する版元です。同社の版木蔵には、明治24年(1891年)の創業以来手がけてきた版木や求版した古版木など、述べ数万枚が保管されており、中には伊藤若冲や竹内栖鳳、小林古径、神坂雪佳といった著名画家による絵や図案など歴史的に貴重な資料も数多く、まさに宝の山です。現在ではそうした版木と伝統的な木版摺り技術を活かし、画家たちが残した芸術作品をさまざまな形で復刻。中でも、日本製高級顔料を使用した木版画は、手漉き和紙に一枚一枚摺り上げることで格別の色合いを引き出しているのが特徴です。