- 濃藍と刺し子織りの類稀なる風合いを纏う。
- 2010年に初登場して以来、好評の“江戸黒染め”。数々のロングセラーも生み出してきました。江戸黒とは、江戸時代に火消や鳶が着ていた仕事着の濃い藍染の色を指します。その昔、「黒」は自然の染料になく、藍を繰り返し染めて「黒に見える濃紺」を作っていました。その奥行きある色味に魅了され、江戸黒を現代に再現したのが、広島県福山市の〈坂本デニム〉三代目、故 坂本恭士氏です。糸の芯を染めず着るうちに色の変化をもたらす“芯白染色”の機械化に日本で初めて成功し、藍染めの保全にも尽力。“藍聖”とも称えられる存在です。恭士氏は苦心の末、糸をロープ状に束ねて染料の中に何度も浸し、その都度空気に触れさせる技法を開発。通常の藍染めに用いる糸は、染めを約10回繰り返すのに対し、江戸黒染めの糸は約15回繰り返します。染料を酸素と結合させ、黒とも藍とも異なる深みを湛えた深く濃い色を生み出しました。
- こちらのベストは、刺し子に着想を得た「江戸黒染め×刺し子織り」。経糸に江戸黒染めの綿糸、緯糸に硫化染めの黒糸を用いており、規則正しい織り柄が美しい。堅牢かつ暖かな着心地も魅力。生地に洗いをかけることで柔らかな質感を追求しています。身に着けるほどに、水をくぐるたびに味わい深い表情を宿していきます。江戸黒染めの趣を深めているのが、随所に配した鮮やかな江戸の伝統柄。江戸時代の奢侈禁止令により派手な色柄の着物を禁止されていた市井の人々が、目につきにくい裏地に趣向を凝らした“裏派手・裏勝り”。その伝統柄を裏地などに施し、ふとした拍子にちらりと覗く洒落っ気と遊び心を添えています。その無二のオリジナリティとともに、染め一筋に生きる〈坂本デニム〉ならではの奥深き“濃藍”の世界をご堪能ください。
素材 | 綿100% |
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仕様 | ポケットは前面に3個、内側に2個/両脇裾スリット |
洗濯方法 | 洗濯機可 |
原産国 | 日本 |
その他 | ※柄の出方が写真と異なる場合があります。
※素材の特性上、摩擦や汗などで色落ちや色移りする場合があります。 |
サイズ | 適応身長 | 適応胸囲 | 着丈(前/後) |
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03:S | 160-170 | 80-88 | 63.5/59 |
04:M | 165-175 | 86-94 | 65.5/61 |
05:L | 170-180 | 92-100 | 67.5/63 |
06:LL | 175-185 | 98-106 | 69.5/65 |
サイズ(単位=cm)
坂本デニム
〈坂本デニム〉は、1892年に呉服や作務衣などの藍染め業として創業。藍白、浅葱、納戸色、紫紺、鉄紺、藍錆をはじめ、藍四十八色といわれるように、藍染めによって表現される繊細な色の違いを一世紀以上にわたって追求してきた老舗です。
そして長年培った染色技術を活かしデニム生地の生産を開始し、1967年には糸の表面だけを染め、芯は白く残す “芯白染色” の機械化に成功。日本のデニム染色の草分け的存在です。
糸の染まり具合を見極める〈坂本デニム〉の四代目、坂本量一氏。先代の志を受け継ぎ、環境にも優しい染色工場を目指して歩みを進める。
江戸の伝統柄を覗かせて洒脱に
- ①火消組
- 火消半纏の背に描かれた組の印をアレンジした柄。
- ②吉原つなぎ
- 吉原の手引き茶屋の暖簾に使われたことに由来する柄。
- ③波に千鳥
- 波間を飛ぶ千鳥を描いた古くから親しまれている意匠。
- ④三筋立
- 江戸時代は「三筋竪」とも書いた3本筋の縞柄。
- ⑤小桜
- 桜の花を上品に散らした小紋柄。
- ⑥子持ち縞
- 太い線と細い線が一組になって繰り返す縞柄。