昭和25年、東京・銀座のみゆき通りに開店。吟味した素材使いと丁寧で美しい仕立て、
そして淑女に相応しい気品あるデザインにこだわり、淑女の装いをリードし続ける〈銀座花菱〉。
同店で商品企画を手がける﨑尾貴道さんに、今夏の着こなしについて伺いました。
千鳥柄とチェック柄を合わせた柄行きが印象的な、透け感のあるコットンシルク混生地で仕立てた軽やかなブラウス。低めのスタンドカラーやキーネックが顔まわりをすっきりと演出します。
Designer’s Voice
「栃尾紬で知られる新潟県の栃尾で培われた高度な技を駆使して織り上げた生地を使用しました。手の込んだ意匠はシックな色味と相まって上品に着こなせます」
楊柳組織の入ったサテンストライプ生地で仕立てたワンピース。裏地のない袖部分の上品な透け感が、夏に相応しい爽やかさを演出します。身頃とスカート部分の裏地には吸水・速乾性に優れたポリエステルを採用しました。
Designer’s Voice
「ストライプがすっきりとした印象ですが、ゆったりとしたシルエットなので楽に着ていただけます。胸下までボタンを配しているため着脱がしやすいのも特徴です」
前を留めずに軽やかに羽織れ、腰まわりをカバーする長めの着丈も嬉しいポイントです。手首を美しく見せる七分袖と、首に沿うように少し立ち上がった襟は冷房や日射し対策にも活躍します。
Designer’s Voice
「吸汗・速乾性に優れ、抗菌防臭加工が施された機能素材を使用しました。羽織風のデザインで今季のトレンドである透け感を意識し、裾と袖口にはレース編みを配しました。涼しげで上品な着こなしをお愉しみください」
スモーキーブルーの地に咲くブラウン系の大きな花柄が上品な印象。京都の職人が手捺染で丹念にプリントしたもので、細部まで精緻に表現されています。ゆとりのあるつくりで、細身のパンツと好相性です。
Designer’s Voice
「気になる体形をカバーしてくれるゆったりシルエットに仕上げています。ウエストを軽くシェイプさせたり、着丈に前後差をつけたりと、すっきりと見える工夫を随所に凝らしました」
ヘリンボーン調の透かし編みがエレガントなボレロカーディガン。杢調の糸を使うことで奥行きが生まれ柔らかな雰囲気に。肘が隠れる五分袖は冷房除けにも重宝します。
Designer’s Voice
「麻のようなシャリ感を持つ和紙を混紡した糸を使って編み上げました。通気がよく、吸湿性も高いので汗ばむ日でもさらっとした肌触りが味わえます」
涼しげな表情を持つシャンブレー調の綿ワッシャー素材を使ったベスト。前立てや袖ぐり、裾などに極細の銀糸でステッチを入れ、さりげない煌めきを添えました。
Designer’s Voice
「襟の内側にギャザーを寄せることで、カジュアルなアイテムながらエレガントな雰囲気に。またシャツ襟なのできちんとした印象でも着こなせます。ワッシャー生地はシワも気になりにくいため、旅行にもお薦めです」