6色の糸で織る困難の末に、辿り着いた鮮やかな色と柄。実用性にも優れ、日々快適に使える一枚。

さまざまな繊維産業が息づく泉州地域では、カーペットの生産も大変盛んです。国内で作られるカーペットの実に8割が泉州産だと言われています。その泉州、和泉市で1957年の創業より、家庭用高級カーペットの自社一貫生産を行っているのが、〈大杉繊維〉です。ご紹介するのは、同社が得意とされています国内でも稀少なモケット織で仕立てたカーペットです。

モケット織は高い耐久性・耐摩耗性を誇り、パイルを織り出した優美な表情と滑らかさを持っています。技術と手間を要するため、最大でも5色で織るのが一般的ですが、同社では6色の糸を使用されています。2ｍ幅を織るためには経糸だけで約6000本もの糸を使用しており、それゆえに生み出される精緻かつ鮮明な色柄は比類ないものです。デザインは、ペルシャ緞通の「へシティ」柄をモチーフにしたオリジナルのもの。複数のパネルで構成された意匠は、エキゾチックで美しい草花が目を引きます。気品に満ちた佇まいは、まるで芸術品のようです。

通常、モケット織はコスト面からレーヨンと綿を用いることが多いですが、〈大杉繊維〉は滑らかさと毛玉の出にくさにこだわり、アクリルと綿を採用されています。同社オリジナルの綿混糸は、扁平の綿で糸の毛羽立ちを抑え柄の鮮やかさを際立たせ、熱収縮させた綿を用いて遊び毛の出にくさと耐久性を追求。さらに、ブライトコットンで上品な光沢を加えています。また、抗菌・防臭機能が付加されているため、不快なニオイが抑制されます。いずれも薄手のため、折りたたみやすく持ち運びがしやすい。毛足が短いため掃除も楽です。しっかりとした踏み心地で、夏は爽やかに、冬場は床暖房やホットカーペットにも敷けるなど、まさに“才色兼備”な名品と言えるでしょう。

モケット織カーペット／メディア