

革新的な技術が集まり、活況を見せる大阪。
日本全国から選び抜いた逸品をご紹介するカタログ『Zekoo』より、“大阪発”の名品群をご紹介します。
鉄にかける70年余の情熱と挑戦〈藤田金属〉

家族経営の緊密な体制が、鉄の可能性を広げていく。
1951年創業の〈藤田金属〉は、大阪府八尾市に本社・工場を構える金属製家庭用品の専門メーカーです。フライパンや鍋など、毎日の食卓を彩る製品を、企画から製造、販売まで全てを自社で手がける一貫生産体制で、高品質な製品づくりを実現しています。同社の大きな強みは、製品の根幹となる金型まで自社で製造している点です。現社長である藤田盛一郎氏は、同社の強みについてこう語ります。「世の中にないものを作るには、試作を繰り返して一進一退できる環境が必要です。金型から製造そして販売まですべて自社で行うこと、それらを担当する父と三兄弟がいつでも話し合える距離にいること。家族経営の町工場は、革新的な製品が生み出せる場所だと思います」




「作る」と「食べる」を一つにするフライパン。弱火でじっくり焼くだけで肉はジューシー、野菜はシャキシャキ、パンはサクッとモチモチに。
〈藤田金属〉
フライパンジュウ 大小セット/ハンドル、鍋敷き付き
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“文創具“としての鉛筆削りに実用性を超えた美と哲学を宿す。
1933年に大阪市で創業し、日本唯一の小型鉛筆削り専門メーカーとして存在感を示す〈中島重久堂〉。「鉛筆削りを通して、文化創造に貢献する」をミッションとし、「TSUNAGO」など既成概念にとらわれない商品を展開しています。10ミクロンの寸法精度を追求した刃や、ミクロン単位で調整した削りユニットから成る鉛筆削りは、鉛筆の木軸を薄く軽やかに削り、求める芯先の形状へと的確に整えます。
鉛筆削り専門の誇りをかけて
〈中島重久堂〉
モケット織という名の美術
〈大杉繊維〉

6色の糸で織る困難の末に辿り着いた鮮やかな色と柄。
さまざまな繊維産業が息づく泉州地域では、カーペットの生産も大変盛んです。国内で作られるカーペットの実に8割が泉州産だと言われています。その泉州、和泉市で1957年の創業より、家庭用高級カーペットの自社一貫生産を行っているのが、〈大杉繊維〉。手間暇かけた緻密な織り柄と高い実用性で信頼を集めています。同社が得意とするのは、国内でも稀少なモケット織。モケット織は高い耐久性・耐摩耗性を誇り、パイルを織り出した優美な表情と滑らかさを持っています。技術と手間を要するため、最大でも5色で織るのが一般的ですが、同社は6色の糸を使用。2m幅を織るために経糸だけで約6000本もの糸を使い、それゆえに生み出される精緻かつ鮮明な色柄は比肩するものがありません。

独自のゼロトルク撚糸による糸屋だからこその品質。
江戸時代から続く綿作と綿織物を礎に、明治以降、国内有数の繊維産業の地として発展した東大阪市。同地でニット糸の企画・製造を行う「エップヤーン」が運営するブランドが〈東大阪繊維研究所〉です。求める仕上がりから逆算し、ベストな糸そのものから生み出すことで、着るほどに肌になじみ“育てる”感覚で愛される一着を手がけています。

上質な一等亜麻だけを原料に用いたリネン糸で編み上げたニットポロシャツ。糸は捻れや縮れをなくす同社独自のゼロトルク撚糸技術で、糸本来の膨らみを活かした柔らかな風合いに。
〈東大阪繊維研究所〉
ゼロトルク撚糸・6色杢リネンニットポロシャツ
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東大阪市出身で、プロラグビー選手として活躍した南條賢太氏監修のラグビーシャツ。素材には細く長い繊維を持つ上質なスーピマコットン糸を使用。糸はゼロトルク撚糸の技を施し、かつしっかりと度目を詰めてヘビーオンスに編み立てているため形崩れしにくく、耐久性が高いのもポイントです。
〈東大阪繊維研究所〉
ゼロトルク撚糸・
スーピマコットンラグビーシャツ
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糸から開発を行う
〈東大阪繊維研究所〉
その他の“大阪発”の名品

『 Zekoo 』

こだわり満載!
日本いいもの再発見
衣類から工芸品まで、知る人ぞ知る老舗の名品や頑固一徹の職人技が息づくアイテムなど、日本全国から選び抜いた逸品をご紹介しています。